インプラントは保険適用される?適用の可否と金銭的な負担の抑え方
インプラント治療には高額な費用がかかるため、保険を適用したいと考える方が多いでしょう。
保険を適用できれば、自己負担額を大きく抑えることができます。
結論から言うと、保険を適用できるインプラント治療は限られています。
全ての治療に保険が適用されるわけではない点に注意が必要です。
本記事では、インプラント治療に対する保険適用の可否、保険を適用できるインプラント治療の例を紹介するとともに、インプラント治療にかかる費用の抑え方を解説しています。
金銭的な負担が心配な方にとって、参考になる内容です。
インプラント治療に保険は適用される?
歯を失ったときに選択できる主な治療法は以下の通りです。
【治療法】
- インプラント
- 入れ歯
- ブリッジ
入れ歯やブリッジでも、日常生活は不自由なく送れることがほとんどです。
インプラントは、見た目や噛み心地にこだわりたい場合に選ばれることが多いです。
健康保険は、疾病、負傷、出産、死亡に関して必要な給付を行う保険です。
追加のこだわりを求める治療には原則として適用されません。
一例としてあげられるのが、一般的なインプラント治療です。
虫歯、歯周病などを原因とするインプラント治療に保険は適用できません。
治療にかかる費用は全額自己負担です(自由診療)。
ただし、保険が適用されるケースもあります。
どのような条件を満たせば保険を適用できるのでしょうか。
インプラント治療でも保険が適用されるケース
インプラント治療で保険を適用できるケースは以下の2つです。
【保険を適用できるケース】
- 先天的な疾患をもっている
- 病気や事故にあった
基本的には、入れ歯やブリッジで咀嚼機能を回復できないケースと言えるでしょう。
これらのケースについて詳しく解説します。
先天性の疾患を持っている
先天性の疾患が原因でインプラント治療を受ける場合は、保険を適用できる可能性があります。
保険を適用することができる具体的なケースは以下の通りです。
【保険を適用できるケース】
- 生まれつき顎の骨が連続して、3分の1以上、欠損している
- 生まれつき顎の骨の形成不全がみられる
以上のケースに該当する場合は、インプラント治療に保険が適用されます。
しかし、保険を適用するためには歯科医師の診断が必要です。
病気や事故にあった
病気や事故で広範囲にわたり顎の骨を失った場合も、インプラント治療に保険を適用することができる可能性があります。
具体例として、以下のケースが挙げられます。
【保険を適用できるケース】
- 腫瘍が原因で顎の骨を連続して、3分の1以上、失った
- 交通事故に起因する外傷で顎の骨を連続して、3分の1以上、失った
これら以外のケースでも、保険を適用できる可能性はあります。
病気や事故を原因とする場合も、保険を適用する際には歯科医師の診断が必要です。
最終的な適用の可否は、歯科医師から書類の提出を受けた審査機関が判断します。
保険適用内でインプラント治療を受けられる歯科医院の条件
インプラント治療に保険を適用したい場合は、一定の条件を満たす施設で治療を受ける必要があります。
具体的な条件は次の通りです。
【保険を適用できる施設の条件】
- 歯科または口腔外科を標榜している
- 20床以上の入院用ベッドがある(病院である)
- 当直体制を整備している
- 歯科・口腔外科にかかる5年以上の経験および当該診療にかかる3年以上の経験を有する常勤の歯科医師を2名以上配置している
- 医療機器に関する保守管理および医薬品に関する安全確保のための体制を整備している
上記の条件に該当する施設として、大学病院の歯科、口腔外科があげられます。
身近な歯科医院でインプラント治療に保険を適用することは難しいと言えるでしょう。
保険以外でインプラント治療の費用を抑える方法
残念ながら、一般的なインプラント治療は保険適用されません。
ここでは保険適用以外で、インプラント治療における経済的な負担や負担感を抑える方法を紹介します。
医療費控除を申告する
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定額を超えるときに、その医療費をもとに計算した金額の所得控除を受けることができる制度です。
医療費控除の対象になる金額は次の計算式で求められます。
医療費控除の対象になる金額=支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)
対象となる医療費は、病状などに応じて通常の支出水準を大きく超えない範囲の金額です。
インプラント治療にかかった医療費も、原則として医療費控除の対象になると考えられています。
医療費控除を申告したい場合は、必要事項を記載した確定申告書を所轄の税務署へ提出します。
医療費の領収書から作成した医療費控除の明細書も添付する必要があります。
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
出典:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
高額療養費制度を申請する
高額療養費制度は、同一月(1日から末日まで)に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、自己負担限度額を超えたときに超過分を払い戻す制度です。
保険診療で支払った医療費を対象とします。
したがって、高額療養費を申請することができるのは、保険診療の対象になるインプラント治療のみです。
自己負担限度額は、所得や年齢で異なります。
69歳以下の方の自己負担限度額について、参考としてその計算方法を以下に示します。
適用区分 | ひと月ごとの限度額(世帯ごと) |
年収:約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
年収:約770~約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
年収:約370~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
年収:~約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
保険診療でインプラント治療を受けた方は、高額療養費の申請を検討するとよいでしょう。
デンタルローンを活用する
デンタルローンは、資金の使途を歯科治療に限定した目的別ローンです。
以下の仕組みで成り立っています。
【仕組み】
- 歯科医院と金融機関などが提携契約を結ぶ
- 患者様と金融機関などが立替払いの契約を結ぶ
- 金融機関などが歯科医院へ治療費を立替払いする
- 患者様が金融機関などへ元金と利息を分割で支払う
デンタルローンの主なメリットは、インプラントの治療費を分割払いにすることができることです。
したがって、まとまった費用が手元になくてもインプラント治療を受けられます。
毎月の支払額を抑えられる点も大きな利点です。
ただし、元金に加えて利息を返済しなければならないため、支払総額は増えます。
利用する際には審査がある点にも注意が必要です。
とはいえ、経済的な負担感を抑えやすい支払方法と言えるでしょう。
デンタルローンは、金融機関や信販会社、またそれらと提携している歯科医院で申し込みが可能です。
クレジットカードで分割払いする
歯科医院がクレジットカード決済に対応していれば、クレジットカードの分割払いを利用することができます。
基本的なメリットは、デンタルローンと同じです。
手元にクレジットカードがある場合は、審査を必要としない点も魅力と言えるでしょう。
ただし、3回以上の分割を選択すると手数料が発生します。
適用される金利は、デンタルローンの金利より高く設定されていることが一般的です。
クレジットカード(分割払い)の金利は12.0~15.0%程度、デンタルローンの金利は3.0~8.0%程度と考えられています。
ただし、デンタルローンと同じく支払総額が増える点には注意が必要です。
相見積もりを取る
ここまでの説明でわかる通り、一般的なインプラント治療は自由診療です。
相場はあるものの、歯科医院が治療費を自由に設定できます。
したがって、相見積もりをとると、割安な歯科医院を見つけられる可能性があります。
ただし、金額だけで選ぶことは推奨されません。
次のリスクが考えられるためです。
【想定されるリスク】
- 歯科医師が専門的な知識、技術を身につけていない
- 十分なカウンセリング、診察を行っていない
- 必要な設備を整えていない
- 安価なインプラント体を使用している
- 安価な人工歯を使用している
費用だけで選ぶと、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
歯科医師の経歴、実績、歯科医院の設備なども忘れずに確認することが大切です。
インプラント治療は原則として保険を適用できない
本記事では、インプラント治療の保険適用について解説しました。
一般的なインプラント治療は保険を適用できません。
保険を適用できるのは、先天性の疾患で顎の骨が欠損しているケースや病気、事故で顎の骨を失ったケースです。
基本的には、治療費を全額自己負担しなければならないと言えるでしょう。
経済的な負担や負担感を抑えたい場合は、医療費控除やデンタルローン、クレジットカードの分割払いを活用できます。
本記事を参考に、インプラント治療の検討を進めてみてはいかがでしょうか。
世航会デンタルオフィスではインプラントを推奨しており、さまざまな症例に幅広く対応できる体制を整えています。
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