インプラントを勧めない歯医者の特徴とは?理由や注意点を解説
インプラントは、歯を失った際の治療法として注目されています。
しかし、すべての歯医者がインプラントを勧めるわけではありません。
一部の歯医者は、患者の健康状態や治療方針を考慮して、あえてインプラント以外の方法を提案する場合があります。
本記事では、インプラントを勧めない歯医者の特徴を解説します。
自分に合った治療法を見つけたい方は、参考にしてください。
インプラントを勧めない歯医者の特徴4つ
インプラントを勧めない歯医者の特徴は、下記のとおりです。
- 治療技術や経験が不足している
- 設備が整っていない
- 保険適用の治療を優先している
- 天然歯を残すことを最優先にしている
それぞれ解説します。
治療技術や経験が不足している
インプラント治療は、高度な専門知識と豊富な実績が求められる外科的な治療です。
しかし、一部の歯科医師は十分な技術や経験が不足しているため、インプラントを積極的に勧めない場合があります。
インプラント治療を成功させるには、患者の口腔内の状態を正確に把握し、骨の状態や適切な埋入位置を見極めることが大切です。
経験不足の歯科医が無理に治療を行うと、インプラントの安定性が低下し、早期に脱落するリスクが高まります。
そのため、安全を考慮して別の治療法を提案するケースが多いです。
設備が整っていない
インプラント治療には、CTスキャンや3Dシミュレーションシステムなどの精密機器が必要です。
また、手術を行うための衛生管理が徹底された専用の治療室も重要です。
こうした設備が整っていない歯科医院では、インプラントの埋入位置を正確に把握するのが難しく、治療成功率が低下する可能性があります。
そのため、設備不足を理由にインプラント治療を推奨しない歯科医院も存在します。
保険適用の治療を優先している
多くの歯科医院では、患者さんの経済的負担を考慮し、保険診療の範囲内で対応可能な治療法を提案します。
インプラントは全額自己負担の自由診療ですが、入れ歯やブリッジなどの治療は保険が適用されます。
患者さまの経済的な状況に配慮した、医療機関としての適切な判断のひとつです。
天然歯を残すことを最優先にしている
歯科医の中には、インプラントよりも天然歯の保存を最優先に考える医師もいます。
インプラントは歯を抜いてから人工の歯を埋入するため、天然歯を維持する治療方針とは異なります。
根管治療や歯周病治療を駆使して天然歯を残す選択肢を優先する歯科医は、患者の歯の健康を長期的に考えている証拠です。
こうした方針を持つ歯科医師は、治療を急がず、患者にとって最善の結果を目指していると考えられます。
歯科医によって治療方法が異なる理由
治療法が歯科医によって異なる理由は、下記のとおりです。
- 歯科医師の専門性や臨床経験の違い
- 医院の設備や体制の違い
- 医院の診療方針の違い
歯科医師がどのような症例を経験してきたかによって、得意とする治療法や治療方針が異なってきます。
とくにインプラント治療のような高度な専門性が要求される分野では、その傾向が顕著に表れるでしょう。
また、最新の治療には高額な医療機器が必要となることも多く、すべての歯科医院が同じ設備を揃えているわけではありません。
そのため、各医院が保有する設備や体制に応じて、提案できる治療法が制限される場合があります。
さらに、医院の診療方針の違いによっても治療方法が異なります。
保険診療を中心に据える医院もあれば、先進的な自由診療を積極的に取り入れる医院もあります。
このような医院の方針は、治療の提案にも大きく影響を与えるでしょう。
インプラント治療のメリット
インプラント治療のメリットは、下記3つです。
- 残った健康な歯を守れる
- 見た目がきれい
- 天然歯と噛み心地が変わらない
詳しく見ていきましょう。
残った健康な歯を守れる
インプラント治療は、失った歯の部分だけを治療するため、周囲の健康な歯に影響を与えません。
ブリッジ治療では両隣の健康な歯を削って土台にする必要がありますが、インプラントではそのような処置が不要です。
また、入れ歯では金具を引っ掛けるために歯に負担がかかる場合があります。
一方、インプラントは自立した構造で周囲に負荷をかけずに済みます。
健康な歯をそのまま残せるため、インプラントは将来的な口腔内の健康を守る優れた選択肢といえるでしょう。
見た目がきれい
インプラントの人工歯は一般的に、自然な色味や質感を再現できるジルコニアなどの素材が使用されます。
そのため、天然歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりが期待できます。
入れ歯や差し歯は金属部分が気になりますが、インプラントならそのような心配をせず笑顔で過ごせるのがメリットです。
前歯など見た目が重要な部位では、大きな安心感につながるでしょう。
天然歯と噛み心地が変わらない
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、安定性が高く、自分の歯のように噛めます。
入れ歯では噛む力が弱かったり、食事の際にズレたりしますが、インプラントはその心配がありません。
また、強い力で噛んでも耐えられる素材が使われているため、硬い食品でも問題なく食べられます。
食事を楽しむだけでなく、噛む動作が脳の活性化にもつながり、健康全般へのよい影響も期待できます。
信頼できるクリニックの特徴
信頼できるクリニックの特徴は、下記のとおりです。
- 丁寧に説明してくれる
- 無理な治療を勧めない
- 定期的なメンテナンスを重視している
- インプラント以外の選択肢も提案してくれる
詳しく解説します。
丁寧に説明してくれる
信頼できるクリニックは、治療内容や方針を丁寧に説明することに重点を置いています。
インプラント治療は専門的で、費用や期間、リスクについて十分に理解する必要があります。
信頼できるクリニックでは、患者が納得するまで質問に答え、不安を解消してくれます。
説明が丁寧なクリニックは、患者を大切にしている証拠です。
無理な治療を勧めない
高額な治療や希望しない治療を押し付けられると、不安になるでしょう。
こちらの希望や状況をきちんと聞いて、それに合った選択肢を示してくれるクリニックなら安心できます。
信頼できるクリニックは、自分にとって本当に必要な治療だけを提案してくれます。
「必ずこの治療をしないといけない」といった無理強いをされないことが大切です。
定期的なメンテナンスを重視している
インプラントを長持ちさせるには、定期的に歯医者でメンテナンスを受けることは欠かせません。
信頼できるクリニックでは、治療後のケアプランを具体的に説明し、定期的な検診やクリーニングの重要性を強調します。
また、自宅でのケア方法についても詳しく指導し、患者さんと一緒に口腔内の健康を維持していく姿勢を持っています。
こうしたサポートがあると、安心してインプラントを使えるでしょう。
インプラント以外の選択肢も提案してくれる
信頼できるクリニックは、入れ歯やブリッジなど、ほかの治療法も説明してくれます。
それぞれのメリットやデメリットを教えてもらうことで、自分に合った方法を選べます。
選択肢があると、治療に対する納得感も増すでしょう。
患者の立場で考えてくれるクリニックは、安心して通えます。
関連記事:インプラントと天然歯の違いとは?5つの観点から詳細を解説
まとめ:インプラントを勧めない理由を知り、自分に最適な治療を見つけよう
インプラントを勧めない歯医者には、それぞれの信念や理由があります。
天然歯を残すことを優先する方針や、技術や設備の不足・患者の経済的負担を配慮した提案などです。
治療法を選ぶ際は、なぜその提案をするのか歯医者の説明を聞き、納得した上で決定しましょう。
本記事を参考に、信頼できる歯医者を見極め、自分に最適な治療法を見つけてください。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
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