入れ歯とインプラントはどっちがいい?違いやメリット・デメリットを解説
歯を失ってしまった場合の治療方法として、入れ歯とインプラントがあります。
両者には治療方法や費用などさまざまな違いがあるため、どちらを選ぶべきか迷われる方も多いのではないでしょうか。
入れ歯は保険が適用される治療方法として広く知られていますが、近年ではインプラント治療を選択される方も増えています。
本記事では、入れ歯とインプラントの違いや特徴を解説します。
それぞれの治療方法のメリット・デメリットを理解することで、最適な選択をしていただくための参考になれば幸いです。
入れ歯とインプラントとの違いとは?
どちらも失った歯の機能を回復するための治療法ですが、その特徴や方法には大きな違いがあります。
以下に違いをまとめました。
比較項目 | 入れ歯 | インプラント |
治療方法 | 取り外し可能な人工歯を装着 | 顎の骨に人工歯根を埋め込む |
手術の有無 | 不要 | 外科手術が必要 |
治療期間 | 2~3週間程度 | 半年以上 |
お手入れ |
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特徴 |
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それぞれの特徴を理解したうえで、ニーズに合った治療法を選ぶことが大切です。
インプラントは外科手術が必要
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込む手術が必要です。
手術は歯ぐきを切開し、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込みます。
そのため、手術にはある程度の痛みや腫れが伴う可能性があります。
また術後は、傷口が治るまで食事や会話などに制限がかかる場合があります。
一方、入れ歯は外科手術が不要です。
歯型を取り、それに合わせて入れ歯を製作します。
そのため、インプラント治療に比べて身体への負担が少なく、治療期間も短く済みます。
保険適用か自費治療
入れ歯は健康保険が適用されるため、費用面での負担を抑えられます。
また、より快適な使用感を求める場合は、自費診療の入れ歯を選択することも可能です。
保険適用外ですが、より高品質な材料や技工技術が用いられます。
一方、インプラント治療は保険適用外の自費診療です。
治療前に骨の造成が必要な場合は、追加の処置が必要となることも。
費用面では入れ歯と比べると高額ですが、見た目や使用感は自然な歯に近く、長期的な満足度は高い治療法です。
処置期間やお手入れの違い
治療法 | 日々のお手入れ方法 |
入れ歯 |
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インプラント |
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入れ歯の治療期間は比較的短く、型を取ってから2~3週間程度で装着できます。
装着後に違和感があれば、患者に合わせた微調整を行えます。
一方、インプラントは治療完了までにより長い期間が必要です。
人工歯根を埋め込んでから、顎の骨と結合するまでに3~6か月程度かかります。
その後、人工の歯を装着するため、治療完了までには通常、半年以上を要します。
適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、どちらの治療法も長期的な使用が可能です
入れ歯の特徴や種類
入れ歯は歯を失った際の一般的な治療法であり、口腔状態やニーズに合わせて作られます。
ここでは、以下の3つを解説します。
- 総入れ歯と部分入れ歯の特徴
- 保険適用の入れ歯のメリット・デメリット
- 保険適用外の入れ歯のメリット・デメリット
詳しく見ていきます。
総入れ歯と部分入れ歯の特徴
総入れ歯は、上顎または下顎の歯をすべて失った場合に使用する入れ歯です。
歯ぐきの形に合わせて作られた床(土台)に人工歯を取り付けた構造で、吸着力や顎の形状を利用して固定します。
部分入れ歯は、数本の歯を失った場合に使用します。
残っている自分の歯に金属でできたバネを引っかけて固定する仕組みです。
自然な見た目で、発音や咀嚼機能の回復が期待できます。
ただし、バネが目立つことがあり、装着感には個人差が生じます。
保険適用の入れ歯のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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健康保険が適用される入れ歯は、広く一般的に使用されている治療方法です。
費用面での負担が少なく、短期間での治療が可能なことから、多くの方に選ばれています。
ただし、治療費用を抑えられる反面、使用できる材料や設計に制限があります。
そのため、装着時の違和感や見た目の問題を感じる方も。
とはいえ、定期的なメンテナンスや適切なケアを行うことで、長期間快適に使用できます。
また、不具合が生じた場合でも、調整や作り直しが比較的容易なことも大きな特徴です。
保険適用外の入れ歯のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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保険適用外の入れ歯は、より快適な装着感や自然な見た目を重視した治療方法です。
費用は高くなりますが、装着感や見た目の満足度は高くなります。
とくに、バネを目立たなくする設計や、より柔軟な材料の使用が可能なため、見た目や使用感を重視する方に適しています。
ただし費用面での負担が大きく、修理や再製作時も全額自己負担となるため、事前に十分な検討が必要です。
インプラントのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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インプラントは、人工の歯根を顎の骨に直接埋め込むため、天然歯にもっとも近い機能と見た目を実現できる治療法です。
固定式なので取り外しの必要がなく、強い力で噛めます。
また、ほかの歯への影響も最小限に抑えられます。
一方で、外科手術を伴う治療のため、全身の健康状態や骨の状態によって治療できない場合も。
治療費用が高額で、治療完了までに長期間を要することも考慮が必要です。
入れ歯とインプラントはどっちがいいか悩む場合
入れ歯とインプラントは特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。
ここでは、以下の場合に分けて紹介します。
- 費用やお手入れのしやすさで選ぶ場合
- 見た目や快適さ・健康面を重視する場合
それぞれ解説します。
費用やお手入れのしやすさで選ぶ場合
費用を抑えたい、お手入れを簡単に済ませたい場合は、入れ歯が適しています。
とくに、保険適用の入れ歯であれば、比較的安価に治療を受けられます。
お手入れも取り外して洗浄するだけなので、簡単です。
ただし、保険適用の入れ歯は素材や種類が限られているため、耐久性や審美性に劣る場合があります。
また、金属のバネを使用するため、目立ちやすく違和感をもちやすいデメリットもあります。
見た目や快適さ・健康面を重視する場合
見た目を重視したい、快適な装着感を得たい、健康面にも配慮したい場合はインプラントが適しています。
インプラントは天然歯に近い見た目で、噛み心地も自然です。
しかし、インプラント治療は外科手術が必要で、治療期間が長く、費用も高額になるデメリットがあります。
また、インプラントを長持ちさせるためには、毎日のブラッシングや定期的な歯科検診など丁寧なお手入れが必要です。
まとめ:入れ歯とインプラントはどっちがいいか悩む場合は専門家へ相談を
入れ歯とインプラント、それぞれの治療法には特徴があり、一概にどちらがよいとはいえません。
選択の際は、費用面や治療期間・メンテナンスの方法、そして口腔内の状態や全身の健康状態を考慮する必要があります。
よりよい治療結果を得るためには、経験豊富な歯科医師に相談し、詳しい検査と診断を受けることをおすすめします。
専門医との十分な相談を通じて、最適な治療法の選択が大切です。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
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