インプラントと差し歯の違いを徹底解説!選び方のポイント
インプラントと差し歯は、失った歯を補うための治療です。
どちらの治療法が自分に合っているのか判断するために、特徴や違いを理解することが重要です。
この記事では、インプラントと差し歯の基本的な概要から、メリット・デメリット、そして自分に合った治療法の選び方を詳しく解説します。
これらの情報を参考にして、自身に最適な治療法を選びましょう。
インプラントと差し歯の概要
インプラントと差し歯は、失った歯を補うための治療法です。
ここでは、インプラントと差し歯の基本的な概要を詳しく説明します。
インプラントとは
インプラントは、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
インプラント体はおもにチタン製で、顎骨との結合により固定されます。
これにより、天然の歯に近い見た目と噛む力を提供します。
インプラントは長期間の耐久性があり、適切にメンテナンスすれば、長期間にわたって使用可能です。
治療は外科手術を伴うため、医師の技術と患者の健康状態を考慮する必要があります。
差し歯とは
差し歯は、既存の歯根を利用して人工の歯を装着する治療法です。
歯根が健康であることが前提となり、歯根の上に金属製のピンを取り付け、さらにその上に人工の歯を固定します。
差し歯はおもにセラミックや金属で作られ、見た目も自然に仕上がります。
治療は比較的短期間で完了し、手術を伴わないためリスクが少ないのが特徴です。
差し歯は適切なケアを行うことで長期間使用できますが、歯根の健康状態に依存するため、定期的なメンテナンスが重要です。
インプラントと差し歯の9つの違い
インプラントと差し歯は、それぞれ特性があります。
ここでは、両者の具体的な違いを9つのポイントに分けて解説します。
- 素材と構造の違い
- 見た目の自然さ
- 治療の安全性
- 噛む力の強さ
- 使用感の違い
- 治療方法と期間
- メンテナンスの手間
- 治療およびメンテナンス費用
- 耐久性と寿命
それぞれ見ていきましょう。
素材と構造の違い
インプラントと差し歯は構造や素材が異なります。
以下に構造と素材の違いをまとめました。
構造の違い
治療法 | 構造 |
インプラント |
|
差し歯 |
|
素材の違い
治療法 | 素材 |
インプラント | おもにチタン |
差し歯 |
|
見た目の自然さ
インプラントは、セラミックなど高品質な素材を使用するため、天然歯とほとんど見分けがつかないほど自然な見た目で仕上がります。
差し歯も見た目は自然ですが、使用する素材によって審美性に差があります。
保険適用の素材は長期間で変色するため注意が必要です。
一方、自由診療の素材は、選択肢が広がるため美しさにこだわった素材を選べます。
治療の安全性
インプラント治療は外科手術を伴うため、手術後に感染症やインプラント周囲炎のリスクがあります。
また、全身疾患がある場合は治療が難しいこともあるため、事前に医師への確認が必要です。
一方、差し歯は手術を伴わないため身体的な負担が少なく、短い治療期間で対応できます。
ただし、差し歯の土台となる歯根が健康であることが前提です。
噛む力の強さ
インプラントは強く固定されるため、天然歯と同じくらいの感覚で噛めます。
固い食べ物も問題なく噛めるので、食事を楽しめるでしょう。
差し歯は歯根に依存するため、噛む力がやや劣りますが、健康な歯根であれば十分な咬合力を発揮します。
使用感の違い
インプラントは顎の骨に固定されているため、自分の自然の歯と思えるくらいの使用感です。
食事や会話の際にも違和感が少なく、日常生活でのストレスも感じにくいでしょう。
差し歯も比較的自然な使用感ですが、インプラントに比べると若干の違和感が残る場合があります。
治療方法と期間
インプラント治療は外科手術となるため、治療期間が長くなります。
手術後の回復期間を含めると、全体の治療期間は約6ヶ月から1年程度です。
差し歯の治療は短期間で完了し、通院回数も少なく済みます。
一般的に、治療終了までの期間は数週間から2ヶ月程度です。
メンテナンスの手間
インプラントは定期的なメンテナンスが不可欠です。
歯科医によるクリーニングと適切な管理が重要で、とくにインプラント周囲炎のリスクを防ぐためのケアが必要です。
差し歯も定期的なメンテナンスが必要ですが、インプラントほど頻繁ではありません。
差し歯の周囲に歯垢が溜まりやすいため、自分自身でも定期的な清掃とチェックが重要です。
治療およびメンテナンス費用
以下に、治療費と特徴についてまとめました。
治療法 | 費用 | 特徴 |
インプラント | 20~30万円 | 基本的に保険適用外であり、費用が高額 |
差し歯 | 3,000~8,000円 | 使用する素材によって異なり、保険適用の素材を選べば3割負担で済む |
自由診療の素材は見た目や耐久性に優れていますが、費用が増加する傾向にあるため、自身の状況に合ったものを選びましょう。
耐久性と寿命
インプラントは適切なメンテナンスにより、10年以上の寿命を期待できます。
顎骨と結合するため、安定性が高いからです。
差し歯の寿命は素材や歯根の状態に依存しますが、保険適用の素材で7年から10年程度、自由診療の素材で10年から20年程度です。
どちらも定期的なメンテナンスで寿命を伸ばせます。
インプラントのメリット・デメリット
インプラント治療は、失った歯を補うための優れた方法ですが、一方で治療には高額な費用や身体的な負担も伴います。
ここでは、インプラントの具体的なメリットとデメリットを詳しく説明します。
メリット
インプラントの最大のメリットは、天然の歯とほぼ同じ見た目と噛み心地を実現できる点です。
インプラントは顎の骨に埋め込まれるため、安定感に優れており、硬い食べ物も問題なく噛めます。
また、インプラントは周囲の健康な歯に影響を与えません。
ブリッジのように隣接する健康な歯を削る必要がなく、周囲の歯を守れることも強みです。
さらに、セラミックなど高品質な素材を使用すると、見た目も白く自然で美しい仕上がりになります。
デメリット
インプラント治療は、保険適用外のため治療費が高額になりがちです。
複数の歯を治療する場合や、顎の骨の造成手術が必要な場合はさらに費用が増加します。
また、インプラント治療には手術が必要で、身体的負担も小さくありません。
手術後の回復期間も含めると、完治まで時間がかかる点も考慮しましょう。
さらに、定期的なメンテナンスも必要で適切なケアが欠かせません。
すべての患者に適しているわけではなく、顎の骨が薄い場合や全身疾患がある場合は治療が難しいこともあります。
差し歯のメリット・デメリット
差し歯治療は、歯根が残っている場合に選択される治療法です。
ここでは、差し歯のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット
差し歯のメリットは、天然の歯周組織を活用できる点です。
差し歯治療では、歯根をそのまま利用するため、歯根膜や歯肉などの歯周組織が保持されます。
そのため、歯の機能が完全には失われず、天然の歯に近い感覚を保てます。
また、差し歯治療は保険適用のため、治療費が比較的安価なことが強みです。
保険が適用される素材を使用すれば、自己負担が少なくなります。
さらに、差し歯治療は大掛かりな手術を必要としません。
歯根の利用により治療回数が少なく、短期間で治療が完了します。
デメリット
差し歯治療は、歯根が残っていない場合は治療が不可能です。
歯根が完全に失われている場合や、歯根が損傷している場合は、差し歯治療を選択できません。
また、保険適用の素材を使用する場合、見た目が悪くなりがちなことがデメリットです。
銀歯や硬質レジンなどの保険適用素材は、色味や素材感が不自然なため、前歯に使用する際は目立ってしまいます。
美しさを重視する場合は、保険適用外の素材を選択する方がよく、結果として治療費が高額になります。
さらに、歯根が健康でない場合は長期間、使用できないことも注意しましょう。
自分に合った治療法の選び方
インプラントと差し歯の治療法を選ぶ際には、自分のライフスタイルや経済的状況、医師のアドバイスを基に慎重な判断が重要です。
ここでは、治療法を選ぶ際のポイントを3つ詳しく解説します。
- ライフスタイルに合わせた選択
- 費用と保険の考え方
- 医師との相談ポイント
それぞれ見ていきましょう。
ライフスタイルに合わせた選択
インプラントは高い咬合力と自然な見た目を提供しますが、治療期間が長く、定期的なメンテナンスが必要です。
忙しい生活を送っている方や、長期間の治療に耐えられる方に向いています。
一方、差し歯は治療期間が短く手術を伴わないため、早く治療を終わらせたい方や、身体的な負担を避けたい方に適しています。
費用と保険の考え方
経済的な要素も治療法を選ぶ際の重要なポイントです。
インプラントは1本あたりが高額です。
一方、差し歯は、素材選びによって経済的な負担が少なくなります。
費用を抑えたい方は、保険適用の差し歯が適していますが、美しさや耐久性を重視する方は、インプラントのほうが向いているでしょう。
医師との相談ポイント
治療法を選ぶ際には、信頼できる医師との相談が不可欠です。
医師は患者の口腔内の状態や全身の健康状態、希望に応じて最適な治療法を提案してくれます。
治療の目的やリスク、費用について十分な説明を受け、自分に最適な治療計画を立てることが重要です。
また、医師の経験や技術、過去の症例を確認しクリニックを選ぶと不安を感じることなく、任せられるでしょう。
関連記事:インプラントと天然歯の違いとは?5つの観点から詳細を解説
インプラントと差し歯は違いを知ったうえで自身に合ったほうを選びましょう
インプラントと差し歯の治療法には、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
自分に最適な治療法を選ぶためには、それぞれの違いの十分な理解が重要です。
また、治療前に専門医と納得いくまで相談し、自分のライフスタイルや経済的状況、口腔の状態に応じた選択をすることが大切です。
インプラントと差し歯の違いを理解し、自身に合った治療法を選ぶことで、満足いく結果を得られます。
インプラントや差し歯の治療を検討しているなら、専門的な知識と経験を持つクリニックを選ぶことをおすすめします。
東京都であれば、都内を中心に複数の歯科医院を展開している「世航会デンタルオフィス」が経験豊富です。
信頼できるクリニックでカウンセリングを受け、安心して治療を進めてください。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
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