医療法人社団世航会
インプラントができない人の9つの条件と代わりとなる治療法について
歯を失い、治療を検討している方に向けて、インプラントが受けられない方の条件について解説します。
インプラント治療は審美性・機能性のいずれも優れており、歯を失った際の治療法として推奨されます。
しかし外科手術をともなうため、インプラントができない人もいます。
そこで本記事では、インプラントが受けられない方の9つの条件と、治療が受けられないときの対処法について解説します。
ご参考にしていただくことで、ご自身に適した治療法について理解を深められるでしょう。
インプラントは誰でも受けられるのか？
インプラント治療は、誰でも受けられるものではありません。
条件によっては、インプラント治療が受けられない方がいることは事実です。
全身疾患がある方、体力が低下している方、骨がまだ成長段階にある方などは、基本的に治療を受けられません。
治療を希望していても、治療を断られる場合があることを理解しておきましょう。
インプラントができない人とは
それでは、インプラント治療が受けられない方とはどのような方か、詳しく見ていきます。
多くの歯科医院にて、治療ができないとされているのは次の9つの条件のいずれかに該当する方です。
1．骨が薄い（骨粗しょう症）
まず、骨が薄かったり、骨粗しょう症であったりする方です。
インプラント治療では、顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋入して骨と結合させます。
そのため、骨が薄い、骨密度が低いなど骨に安定性がない場合は、インプラントの埋入が難しくなります。
仮に埋入できたとしても、インプラントが脱落したり、骨との結合がスムーズにいかなかったりする可能性があります。
そのため、骨が薄い方や骨粗しょう症の方は、インプラント治療が難しいと考えて良いでしょう。
2．虫歯や歯周病など口腔内の状態が悪い
虫歯や歯周病などがあり、口腔内の状態が悪い方も治療を受けられません。
顎の骨とインプラント体との結合がうまくいかない可能性が高くなるためです。
ただし、虫歯や歯周病は治療前に完治させれば、その後インプラント治療へと進むことが可能です。
治療開始時に虫歯や歯周病があることは避けなければなりません。
虫歯や歯周病がある方は、インプラント治療を受ける前に、口腔内の状態を改善することが最優先となります。
3．糖尿病や高血圧などの持病を抱えている
糖尿病や高血圧などの全身疾患を抱えている方も、インプラント治療を受けることができません。
特に糖尿病の方は、免疫力や抵抗力が低下していることが多く、傷の治りが遅くなる傾向があるため、リスクが高まります。
インプラント周囲炎のリスクも高まるため、たとえ治療を受けても予後が悪くなりがちです。
高血圧の方の場合、手術に対する緊張からさらに血圧が上がる危険性があります。
医薬品を服用している場合、出血が止まりにくくなる可能性もあります。
糖尿病や高血圧などの持病を抱えている方は、かかりつけ医に相談したうえで治療を検討することが重要です。
4．腎疾患のため血液透析を受けている
次に、腎疾患があり血液透析を受けている方の場合です。
インプラント治療を受けられないわけではありませんが、血液透析を受けている方は、治療によるリスクが大きくなります。
免疫力が低下しているため、傷の治りが遅くなり、炎症や細菌感染が起こりやすくなる可能性もあります。
また、人工透析を受けている方も同様のリスクがあります。
基本的に腎疾患で治療を受けている方は、インプラント治療が難しいと言えます。
5．18歳以下の未成年である
インプラント治療が受けられない条件として、「年齢が18歳以下であること」も含まれます。
基本的に、治療を受けるための年齢制限はありません。
しかし、18歳以下の未成年の場合、骨の成長が終わっていないことも少なくありません。
骨が未完成の状態でインプラント治療を受けると、治療の途中で骨が成長してしまう可能性もあります。
その結果、インプラントに不具合が生じたり、治療後の結果が良くなくなったりする可能性があります。
そのため、基本的に18歳以下の方は、まだインプラント治療を受けることができないと考えるべきです。
歯科医院によっては、20歳未満でも治療を受け付けないところもあります。
骨の成長が完全に終わったと考えられる年齢になるまで、治療を待つことが推奨されます。
6．妊娠している
妊娠している場合も、インプラント治療を受けられない条件に該当します。
一連の治療に必要となる手術、投薬、レントゲン検査が、母子の健康に悪影響を及ぼす可能性があると考えられているためです。
妊娠中は、X線や医薬品を避けるべき時期です。
胎児に万が一の影響があっては大変なため、治療は避けるべきです。
また、インプラント治療は身体だけでなく精神にも負担がかかりやすい治療です。
精神的に不安定になりやすい時期に、手術を受けるのは不安に感じるかもしれません。
インプラント治療を受ける際は、出産が終わってからにすることを推奨します。
7．ヘビースモーカーである
次のインプラント治療を受けられない条件は、ヘビースモーカーであることです。
喫煙は治療結果に多くの悪影響を及ぼします。
血流が悪化し、傷の治りが遅くなり、骨とインプラントとの結合が阻害されることが少なくありません。
仮に結合できたとしても、不安定な状態になる可能性があります。
また、歯周病リスクが高くなるため、インプラント周囲炎も発症しやすい口腔状態になります。
インプラント治療を受けるために禁煙が求められるケースもあります。
ヘビースモーカーの方は、基本的にインプラント治療を受けられないと考えられます。
8．麻酔を使用できない
麻酔を使用できない場合も、インプラント治療を受けることはできません。
たとえば、体調により麻酔が使用できない場合や、麻酔に対する恐怖がある場合などが該当します。
インプラント治療は歯科領域の中でも、外科手術を伴う大掛かりな治療です。
顎の骨に穴を開け、金属製の部品を埋入します。
そのため、麻酔なしでの手術は不可能です。
麻酔を使用できない場合、インプラント手術は不可となります。
9．治療後のメンテナンスに通えない
インプラント治療を受けられない最後の条件は、治療後のメンテナンスに通えないことです。
治療後の状態を良好に維持するには、定期メンテナンスが欠かせません。
歯科医院によって異なりますが、3〜6か月に1回の通院が求められます。
通院が難しい場合、治療に成功しても良い状態を維持するのが難しくなります。
メンテナンスに通うのが難しい方は、インプラント以外の治療法を検討したほうが良いでしょう。
インプラントができない人への対処法
ご紹介してきたように、インプラント治療を受けるには条件があります。
しかし歯が失われた場合、何らかの治療を受けなければなりません。
インプラント治療が受けられない方には、次のような治療をおすすめします。
対処法1：ソケットリフト
ソケットリフトは、人工骨を充填してインプラントを埋め込む治療法です。
顎の骨が薄い方や、歯周病で骨が少なくなってしまった方に効果を発揮します。
骨の量が増えることで、安定した埋入が期待できます。
骨量が不足しているためインプラントが難しい場合は、ソケットリフトを検討するのが良いでしょう。
対処法2：サイナスリフト
「インプラント治療が受けられない方への対処法として、サイナスリフトも検討されます。
サイナスリフトもソケットリフトと同様、人工骨を充填して顎の骨を増やす治療法です。
しかし、上顎洞を持ち上げて人工骨を充填する方法がサイナスリフトです。
そのため、上顎にインプラントを埋入したいが骨量が不足しているケースでよく採用されます。
対処法3：ブリッジ
次に、ブリッジについて説明します。
ブリッジはインプラントではなく、失われた歯の両隣の歯を土台とし、3本以上の連結した義歯を被せる治療です。
しかし、土台となる両隣の歯は大きく削る必要があります。
健康な歯を削る必要がありますが、審美性と機能性が高い点がメリットです。
対処法4：差し歯
インプラントが難しい場合、差し歯を利用するのもひとつの方法です。
残っている歯根の上に被せ物をし、失われた歯の機能を回復させる治療法です。
しかし、歯根がなければ治療を行うことはできません。
のため、人工歯根を埋入するインプラントとは適応症例が異なりますが、代替治療としてよく選ばれます。
対処法5：部分入れ歯
部分入れ歯も一つの選択肢です。
失われた歯の両隣の歯に金具を引っかけて義歯を装着する方法です。
金具によって審美性が損なわれることや、土台となる両隣の歯に負担がかかることがデメリットです。
しかし、保険適用の治療法であるため治療費を抑えられ、手軽に受けられる点が特徴です。
インプラントができない人も代わりとなる治療法がある
いかがでしたでしょうか？
この記事をお読みいただくことで、インプラント治療が受けられない条件についてご理解いただけたことと思います。
インプラントは外科手術を伴うため、治療を受けるには一定の条件があります。
しかし、代替治療法は複数あるため、まずは歯科医院に相談することをおすすめします。
世航会デンタルオフィスではインプラントはもちろんのこと、さまざまな歯科治療に対応しています。
インプラント治療が可能かどうかを判断し、適切な治療法をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
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