インプラント治療が絶対だめといわれる理由と知っておきたいメリット
「インプラント治療は絶対だめ」といわれて不安を感じていませんか。
ほかの治療法のほうが良いかもしれないと考えている方もいるでしょう。
結論から述べると「絶対だめ」と言えるほど、リスクの高い治療法ではありません。
良い点と悪い点を冷静に把握し、評価することが大切です。
本記事では、インプラント治療が絶対だめといわれる9つの理由を紹介するとともに、インプラント治療のリスクが高くなるケース、インプラント治療のメリットを紹介しています。
絶対だめといわれて不安を感じている方は参考にしてください。
インプラント治療が絶対にだめといわれる理由
インプラント治療が「絶対だめ」といわれる主な理由は以下の通りです。
理由①外科手術にリスクがあるため
インプラント治療は、外科手術を伴うため「絶対だめ」といわれています。
具体的には、歯茎を切り開き、顎の骨に穴をあけて、インプラント体を埋め込みます。
これらの処置にはさまざまなリスクが伴うため、避けるべきと考えられています。
主なリスクは以下の通りです。
【想定されるリスク】
- 治療を受けた部分に細菌が感染して炎症・化膿・痛みが引き起こされる
- インプラント体が顎の骨に結合しない
- 手術中に神経や血管を傷つけてしまう
以上のリスクは、外科手術を行う歯科医も把握しています。
リスクをコントロールするため、検査や診断を丁寧に行うなどの対策を講じています。
リスクをゼロにすることはできませんが、歯科医院を慎重に選ぶことで、基本的には一定の安全性を確保しつつインプラント治療を受けることができます。
理由②費用が高額であるため
高額な費用がかかるため「絶対だめ」といわれることもあります。
インプラント治療の相場は、1本あたり30~50万円程度です。
自由診療であるため、健康保険は使えません。
確かに、高額な費用がかかる歯の治療と言えるでしょう。
しかし、比較されることが多い入れ歯やブリッジよりも基本的には長持ちします。
厚生労働省が発表している資料によると、部分および全部欠損症例における10~15年の累積生存率は上顎で90%程度、下顎で94%程度です。
ちなみに、入れ歯の寿命は5年程度、ブリッジの寿命は8年程度と言われています。
詳しくは後述しますが、インプラントには審美性に優れる、周囲の健康な歯へ悪影響を与えにくいなどのメリットもあります。
他の治療法に比べて割高であっても、検討する価値は十分にあるでしょう。
理由③治療期間が長いため
治療期間が長いため「絶対だめ」という方もいます。
インプラント治療にかかる期間は平均で3~12カ月程度です。
具体的な治療期間は、お口の健康状態などで異なります。
参考として、他の治療法と平均的な治療期間を比較します。
治療法 | 平均的な治療期間 |
インプラント治療 | 3~12カ月程度 |
入れ歯 | 2~4週間程度 |
ブリッジ | 1~3カ月程度 |
他の治療法に比べると、治療期間は長いと言えるでしょう。
しかし、この間に週1回などのペースで治療を行うわけではありません。
埋入したインプラント体と顎の骨が結合するのを待つ期間なども含まれます。
治療期間ではなく通院回数で捉えると、負担はそれほど大きくないと考えられます。
理由④インプラント周囲炎になるおそれがあるため
インプラント周囲炎になるリスクがあるため「絶対だめ」と考える方もいます。
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織に歯周病菌が感染して炎症を起こした状態です。
最初は目立った症状を現しませんが、放っておくと顎の骨が溶けてインプラントが不安定になったり、抜け落ちたりすることがあります。
主な原因は、お口の中が不衛生になることです。
したがって、丁寧なセルフケア、定期的なメンテナンスを心がけると、リスクをコントロールできます。
喫煙や糖尿病なども影響するため油断はできませんが、日々の取り組みによってインプラント周囲炎のリスクを抑えることは可能です。
理由⑤金属アレルギーのリスクがあるため
金属アレルギーのリスクを考えて「絶対だめ」という方もいます。
インプラント治療では、金属を用いたインプラント体を顎の骨に埋め込みます。
金属がイオン化して溶け出すため、アレルギーのリスクが生じます。
しかし、通常はアレルギーを起こしにくいチタンが用いられます。
パッチテストなどでアレルギー反応を確かめることもできます。
また、金属アレルギーの心配がないジルコニアを用いることも可能です。
リスクを踏まえて、さまざまな対策が講じられています。
適切な知識があれば、金属アレルギーのリスクを抑えながら治療を行うことができます。
理由⑥メンテナンスが大変であるため
メンテナンスの手間を考えて「絶対だめ」という方もいるようです。
インプラントのメンテナンスは、自宅で行うセルフケアと歯科医院で受ける定期検診にわかれます。
セルフケアの基本は丁寧なブラッシングです。
定期検診では以下の取り組みを行います。
【定期検診の主な内容】
- お口の状態の確認
- レントゲン撮影
- 歯垢・歯石の除去
- 噛み合わせの調整
- ブラッシングや食事の指導など
定期検診の頻度は、年に2~4回程度と言えるでしょう。
面倒と感じるかもしれませんが、インプラント周囲炎などのリスクがあるため、これらのメンテナンスは欠かせません。
お手入れを怠ると、インプラントの寿命が短くなってしまう恐れがあります。
理由⑦適さない症例があるため
治療を受けられないケースがあるため「絶対だめ」といわれることもあります。
具体例として、顎の骨が薄いケース、糖尿病を患っているケースがあげられます。
顎の骨が薄いとインプラント体を支えられない恐れがあり、糖尿病を患っていると感染症にかかる恐れがあります。
しかし、対策がないわけではありません。
例えば、顎の骨が薄いケースでは骨を再生して治療を受けられる可能性があります。
インプラント治療を希望している方は、諦めずに歯科医院で相談するとよいでしょう。
理由⑧再治療が困難であるため
再治療の難易度を考えて「絶対だめ」といわれることもあります。
難易度が高い例として、関係する病気が悪化しているケースやタバコをやめられないケースが挙げられます。
例えば、タバコを吸っていると、血流が悪くなってインプラント体と骨が結合しにくくなります。
しかし「再治療=難易度が高い」と言えるわけではありません。
例えば、人工歯を新しいものに取り換えるだけであれば簡単に行うことができます。
また、難易度にかかわらず再治療を行えることもあります。
状態に合わせて対処できる可能性があるため、まずは歯科医院で相談することが大切です。
理由⑨歯科医の技術に差があるため
歯科医の技術力に差があるため「絶対だめ」と考える方もいます。
インプラント治療は、歯科医師資格を取得していれば誰でも行うことができます。
インプラント治療を行っているからといって、専門的な教育を受けているとは限りません。
したがって、信頼できる歯科医院を選択することが大切です。
信頼性を評価する指標の一つとして、インプラント専門医の有無が挙げられます。
インプラント専門医は、日本口腔インプラント学会が認定している口腔インプラント専門医などの資格を取得した医師の総称です。
一定の条件を満たしたうえで資格を取得しているため、専門的な知識や技術を身につけていると考えられます。
歯科医の技術力が気になる方は、インプラント専門医が在籍している歯科医院を選ぶことが良いでしょう。
インプラント治療を避けたほうがよいケース
次に、インプラント治療が難しいケースを紹介します。
治療の可否については、歯科医院でご相談ください。
顎の骨の量が少ない場合
顎の骨の量が少ない場合、インプラント治療の難易度が高くなります。
顎の骨にインプラント体を埋め込んで、固定しなければならないためです。
適切な対策を講じずに治療を行うと、顎の骨とインプラント体がしっかり結合しない恐れがあります。
顎の骨の量は人により異なります。
また、歯周病の影響で顎の骨が溶けているケースも少なくありません。
厚生労働省の発表によると、歯周病は歯を失う最も多い原因です(37%)。
インプラント治療を受ける方は、顎の骨が溶けているケースが多いと考えられます。
顎の骨の量が少ない場合、骨造成と呼ばれる治療で骨の量を増やせる可能性があります。
しかし、すべての歯科医院が骨造成に対応しているわけではありません。
インプラント治療の可否に関わるため、高度な治療に対応している歯科医院で相談することが重要です。
全身疾患がある場合
全身疾患を患っている方も、インプラント治療の難易度は高くなります。
さまざまなリスクを伴うためです。
インプラント治療に影響を与えやすい全身疾患として以下のものが挙げられます。
【全身疾患の例】
- 糖尿病
- 高血圧
- 骨粗しょう症
例えば、糖尿病の方は免疫にかかわる細胞の働きが低下しているため、細菌感染を起こすリスクが高まります。
血流が悪化して、傷口の治りが遅くなることも考えられます。
以上のほかにも、さまざまなリスクが考えられるため、難易度が高いとされています。
しかし、全身疾患を患っていても、インプラント治療を受けることができないわけではありません。
かかりつけ医と歯科医が連携して、治療を行うことが可能な場合もあります。
まずは、かかりつけ医や歯科医に相談してみるとよいでしょう。
ヘビースモーカーの場合
ヘビースモーカーの場合も、インプラント治療の難易度が高くなります。
ニコチンの影響で血流が悪くなり、顎の骨とインプラント体が結合しにくくなってしまうためです。
また、免疫力の低下や唾液量の低下を引き起こし、インプラント周囲炎のリスクを高めることも考えられます。
これにより、失敗のリスクが高くなるとされています。
インプラント治療を希望する方は、禁煙や減煙を心がけることが良いでしょう。
禁煙や減煙が難しい方は、禁煙外来を受診することを検討すると良いでしょう。
インプラント治療のメリット
「絶対だめ」といわれているインプラント治療には、さまざまなメリットがあります。
メリットも踏まえたうえで、治療の必要性を検討することが重要です。
審美性に優れる
一般的に、インプラント治療は審美性に優れる治療法と考えられています。
外から歯を支える装置が見えず、人工歯が天然歯と遜色のない透明感を持つためです。
人工歯は、色調や形状などを天然歯に合わせて製作します。
笑ったときに歯が見えても、天然歯と見分けることは難しいでしょう。
外見が気になる方におすすめの選択肢です。
周囲の歯への負担が少ない
インプラント治療と比較されやすい治療法としてブリッジが挙げられます。
ブリッジは、残存する両側の歯を支えに人工歯を設置する治療法です。
冠を被せるため、残存する両側の歯を大きく削る必要があります。
健康な歯の寿命に悪影響を与えることも考えられます。
インプラント治療では、両側の歯を削る必要がありません。
周囲の健康な歯に負担をかけずに治療を行える点もメリットです。
発音に影響が出づらい
人工歯をしっかりと固定するため、インプラント治療後も天然歯と同じように発音できると考えられています。
入れ歯は口腔内の形状が変わるうえ、話すときに動くことがあるため、サ行、タ行、カ行を発音しにくくなる恐れがあります。
ブリッジも隙間から空気が漏れて発音しにくくなることがあるでしょう。
インプラント治療であれば、これまで通りに会話を楽しむことができます。
耐久性がある
適切に管理すれば、インプラントの耐久性は非常に高いと考えられています。
厚生労働省が発表している資料によると、90%程度の方が10~15年後も同じインプラントを継続して使用しています。
長持ちさせるためには、セルフケアと定期検診を欠かさないことが重要です。
寿命を踏まえると、コストパフォーマンスに優れた治療法と考えることもできます。
インプラントは「絶対だめ」といえない治療法
本記事では、インプラント治療が「絶対だめ」といわれる理由について解説しました。
具体的な理由として、外科手術にリスクがあることや、インプラント周囲炎のリスクがあることなどが挙げられます。
歯科医もこれらのリスクを把握しているため、対策を講じています。
適切に管理すれば、安心して受けることができる治療法と言えるでしょう。
また、インプラント治療には、審美性に優れ、周囲の歯に負担をかけにくい、耐久性があるなどのメリットもあります。
これらを踏まえると「絶対にだめ」と言える治療法ではないことがわかります。
良い点と悪い点を理解したうえで、治療の必要性を検討することが重要です。
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