老後のインプラント治療はリスクある?メリットとデメリットを徹底解説
インプラント治療は、老後の歯の健康を保つために注目されている治療です。
この記事では、老後におけるインプラントの必要性やメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、インプラント治療の流れや注意点にも触れ、インプラントを検討している方々に役立つ情報を提供します。
老後の歯の健康のために、ぜひ参考にしてください。
インプラントとは
インプラントは、歯を失った際に顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
従来の治療法であるブリッジや入れ歯とは異なり、失われた歯根も補うため、より自然な噛み心地と見た目が実現できます。
また、インプラントは周囲の健康な歯を削る必要がなく、顎骨の健康を保てることも特徴です。
インプラントは必要?老後の歯について
年齢を重ねると、歯周病や虫歯などの影響で歯が抜けることが増えます。
自身の老後の歯について、早めの理解と検討が重要です。
ここでは、以下の2つの観点から加齢による歯の変化を解説します。
- 加齢で歯が抜け始める年齢と抜ける数
- 老後に歯が抜けた後の治療方針
それぞれ見ていきましょう。
加齢で歯が抜け始める年齢と抜ける数
年齢を重ねると歯を失うリスクが高まります。
2016年の歯科疾患実態調査によれば、60歳以上の約80%の人が少なくとも1本以上の永久歯を失っています。
このように、年齢と共に歯の数が減少する傾向があるため注意が必要です。
歯を失うおもな原因は、歯周病・虫歯・外傷などがあげられます。
これらの要因によって歯の喪失が進行し、老後の生活に影響を与えることが少なくありません。
参考例:厚生労働省 平成28年 平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要
老後に歯が抜けた後の治療
歯を失った場合の治療方法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3つあります。以下に治療法をまとめました。
治療法 | 詳細 |
ブリッジ | 隣接する健康な歯を削る必要があるため、すべてのケースに適用できるわけではない |
入れ歯 | 保険診療で治療でき、経済的負担が少ない反面、使用感やメンテナンスに課題がある |
インプラント | 外科手術を伴う自由診療ですが、自然な噛み心地で、長期的に健康を維持できる |
老後に歯を失った際は、自身の状況や健康状態に応じて、適切な治療を選択しましょう。
関連記事:インプラントは何歳が多い?年齢制限や割合について解説
老後にインプラントを選ぶ4つのメリット
歯が抜けてしまったときの対処法として、インプラント治療は老後でも効果的です。
ここでは、老後にインプラントを選ぶ4つのメリットを詳しく解説します。
- 噛む力の回復と食生活の改善
- 見た目の自然さと若々しさの維持
- 骨密度の維持と健康への影響
- 認知症の予防
それぞれ見ていきましょう。
噛む力の回復と食生活の改善
インプラント治療により、噛む力が回復することで食事を楽しめます。
入れ歯とは異なり、インプラントは顎の骨に強く固定されているため、硬い食べ物も自然に噛めるからです。
これにより、食事のバリエーションが広がり、栄養バランスもよくなります。
毎日の食事を楽しむことは、健康的な生活を送るうえで重要です。
また、十分に噛めるため、消化吸収が促進され、全身の健康維持にもつながります。
見た目の自然さと若々しさの維持
インプラントは、見た目が自然で、周囲の歯と調和します。
入れ歯のように支えるためのフックや不自然な歯ぐきがないため、審美性が高いのが特徴です。
また、自分の歯の色に合わせて作られるため、若々しい印象を保てます。
見た目が自然だと、気持ちとしても自信につながるでしょう。
さらに、インプラントは顎骨の健康を維持するため、顔の輪郭も自然に保て、老けた印象を与えません。
若々しさが維持されることで、対人関係や社会生活においても積極的な姿勢を保てます。
骨密度の維持と健康への影響
インプラントは、顎骨の骨密度を維持する効果があります。
骨密度が維持されると、顎骨の健康をより保てます。
骨の健康維持は、ほかの歯の安定性や口腔機能全般にも関わるため、インプラントは総合的な口腔健康の向上に効果的です。
また、骨密度の低下を防ぐことで、骨折などのリスクも軽減されます。
認知症の予防
インプラントによって強い力で噛めるようになると、脳への刺激が増えます。
噛む行為は脳の血流を促進し、認知機能を維持するために重要だからです。
老後にインプラント治療を受けることで、認知症リスクを下げ、健康的な生活を続けられるでしょう。
また、噛むことが脳の活性化につながるため、記憶力や集中力の維持にも役立ちます。
確実に噛んで食事を楽しむことで、精神的な満足感も得られます。
老後にインプラントを選ぶ3つのデメリット
老後にインプラント治療を選ぶ際には、デメリットを理解し、慎重に検討することが重要です。
ここでは、インプラント治療の3つのデメリットを詳しく解説します。
- 外科手術のリスク
- 医療費と経済的負担
- 骨の量により手術を受けられない可能性
それぞれ見ていきましょう。
外科手術のリスク
インプラント治療は外科手術を伴います。
手術そのものは通常の抜歯と同程度の負担とされていますが、高齢者にとっては持病や服薬状況、体力が問題となることがあります。
外科手術には、感染症や手術後の腫れ、痛みなどが出ることも。
とくに高齢者の場合、免疫力が低下している人が多いため、回復期間が長引く可能性も理解しておきましょう。
また、全身麻酔や局所麻酔の影響も考慮する必要があります。
こうしたリスクについて、事前に医師と十分な相談が必要です。
医療費と経済的負担
インプラント治療は基本的には自由診療で、保険適用外のため費用が高額です。
1本あたりの費用は30万円から50万円程度が相場で、治療内容や地域によって異なります。
また、治療は段階的に行われるため、何度も通院が必要で、そのたびに費用がかかります。
高齢者にとって、これらの経済的負担は大きな悩みとなるでしょう。
さらに、インプラントは長期間のメンテナンスが必要で、定期的な検診やクリーニングも費用に含まれます。
骨の量により手術を受けられない可能性
インプラントを埋め込むためには、顎骨の十分な厚みと密度が必要です。
しかし、歯周病や加齢により顎骨が痩せてしまっている場合、インプラント手術が難しくなることがあります。
また、骨の量が不足している場合、骨造成手術が必要なケースもあり、追加の手術費用やリスクを伴います。
さらに、骨粗鬆症などの骨密度が低い状態では、インプラントの成功率が下がることも少なくありません。
したがって、事前の検査で顎骨の状態を確認し、手術可否の判断が重要です。
老後のインプラント治療の流れ
インプラント治療は、複数のステップを経て行われるため、流れを理解しておくと安心です。
ここでは、老後にインプラント治療を受ける際の基本的な流れを解説します。
- 初診とカウンセリング
- 治療計画の立案
- 手術とアフターケア
それぞれ見ていきましょう。
初診とカウンセリング
初診では、患者の口腔内の状態を詳細に確認し、インプラントが適用できるかどうかを判断します。
レントゲンやCTスキャンを使って顎骨の状態を詳しく調べることもあります。
カウンセリングでは、患者の希望や不安を聞きながら、治療の流れや費用、リスクなどを説明されるケースが多いでしょう。
また、既往症や服用中の薬も確認し、全身の健康状態を把握します。
これらの回答を怠ると、最適な治療を受けられない可能性があるため注意が必要です。
治療計画の立案
初診とカウンセリングの結果をもとに、具体的な治療を計画します。
この段階では、インプラントを埋め込む位置や角度、種類を確定するため、慎重に選びましょう。
また、治療に必要な期間や通院回数、費用の見積もりも行います。
患者にとって最適な治療計画を立てるために、詳細な診断と計画が欠かせません。
手術とアフターケア
手術は局所麻酔下で行われ、顎骨にインプラントを固定します。
手術後は数ヶ月かけてインプラントが顎骨と結合するのを待つ必要があるため安静にしましょう。
この期間中は、定期的に通院して経過を観察し、必要に応じて治療します。
インプラントが安定したら、上部構造(人工歯)を装着します。
また、アフターケアとして、定期的なメンテナンスやクリーニングが必要です。
インプラントの周囲を健康に保つことで、トラブルの可能性を低減できるからです。
老後のインプラントはメリット・デメリットを理解して受けましょう
老後にインプラント治療を考える際は、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
メリットは、噛む力の回復や自然な見た目の維持、骨密度の保持、そして認知症予防などがあげられます。
一方、デメリットは、外科手術のリスクや高額な費用、顎骨の状態によっては手術が難しい場合があることも考慮する必要があります。
治療を受ける前に、専門医と納得いくまで相談し、自分に最適な選択が大切です。
健康で快適な老後を過ごすために、自身に合った判断をしましょう。
東京都でインプラント治療を検討しているなら、専門的な知識と経験を持つクリニックを選ぶことをおすすめします。
関東を中心に22箇所の歯科医院を展開している「世航会デンタルオフィス」がおすすめです。
ぜひ、専門医によるカウンセリングを受け、安心して治療を進めてください。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
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