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歯周病になると口臭が気になるのはなぜ?ケア方法も解説 | 歯医者さんのお役立ちコラム
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歯周病になると口臭が気になるのはなぜ?ケア方法も解説

歯周病は、歯垢(プラーク)が溜まるとそれが歯石になったり、口臭が発生したりします。

口臭が気になる方は、歯周病の可能性が考えられるかもしれません。

歯周病の症状が進行すると炎症部分が化膿してしまうため、早めの治療が必要です。
本記事では、歯周病で口臭が起こる原因や、口臭ケアの方法について解説します。

歯周病のチェックポイント

 

歯周病が疑われる場合、まずは以下の症状がないかどうかチェックしてみましょう。

  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯と歯の間が白く腫れぼったい
  • 歯と歯の間に隙間が出てきた
  • 歯肉が下がって歯が長くなっている
  • 歯の表面がザラザラとしている
  • 歯磨きすると出血する
  • 口の中がネバネバとしている
  • 口臭が発生している

歯周病になると口臭が気になるのはなぜ?

歯周病で口臭が起こるのは、歯垢(プラーク)による細菌の繁殖で歯の根元が腐り始めているからです。

症状が重症化してくると口臭が強く不快感を覚えるようになります。
では、歯周病の進行ステージを確認して、口臭の起こる時期を確認しておきましょう。

  • ステージ①健康な歯:歯茎がしっかりしていて出血や痛み腫れはない
  • ステージ②歯周炎:歯茎が赤く腫れて出血している。痛みは少ない
  • ステージ③歯周病:歯茎の炎症が化膿して口臭が出る。腫れ、出血、しみる
  • ステージ④歯周病重度:酷い口臭、歯のぐらつき、出血、歯茎が赤紫色

このように健康な歯から歯周病になるまでは、段階的に症状が進行し、軽度の歯周炎から重症化が進むと歯周病になって口臭や痛み腫れ、出血などの症状が現れます。

歯周病菌がガスを発生するから

歯周病は、食べ物のカスが歯に残っているとそこから歯垢(プラーク)が溜まり、放置していると歯石になります

軽度の歯垢であれば歯ブラシで磨くだけでも除去できますが、歯石になってしまうと、自分ではキレイにできないため、歯科医院で除去する必要があります

歯垢は、歯の表面に付着したネバネバとした細菌です。

通常、歯垢の汚れは唾液によって洗い流されますが、免疫力が低下していたり、カラダの不調などで唾液の分泌が悪くなったりすると、歯垢が溜まりやすくなり、そこから細菌が繁殖して歯周病が進行します。
細菌が繁殖して口の中の衛生状態が悪くなると、歯周病菌である「メチルメルカプタン」が原因で、腐った玉ねぎのような臭いが発生します。

歯槽膿漏になっているから

歯槽膿漏(しそうのうろう)は、歯周病が重症化した状態です。

歯茎が炎症して腫れて赤くなり、痛みが発生して、化膿した部分から口臭が発生します。
歯槽膿漏になった場合、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めて、破壊が始まっている状態です。

これが悪化すると、抜歯しなければいけない可能性も高くなります。
また、歯周病が進行すると、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなり、細菌が付着しやすくなります。

歯周ポケットが深くなると、自分でブラッシングしても汚れが完全に落とせないため、細菌の繁殖が進み、口臭もきつくなります。

歯周病の臭いの特徴

 

歯周病の臭いのもとになる歯周病菌には、主に以下の種類があります。

  • P.g.菌(Porphyromonas gingivalis)
  • T.f.菌(Tannerella forsythia)
  • T.d.菌(Treponema denticola)
  • A.a.菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)
  • P.i.菌(Prevotella intermedia)

「P.g.菌」は歯周病菌の3大菌の一つで、嫌気性で血を好む細菌です。

歯茎が出血すると、数100倍から数万倍まで繁殖し、歯周ポケットを深くし溝に侵入して歯骨を溶かし始めます。

一度感染すると、その菌を完全に駆逐することはできません。
「T.f.菌」は、難治性の歯周病に見られる嫌気性の細菌で、歯周病菌の3大菌の一つです。歯周ポケット内に付着しています。
「T.d.菌」は歯周病菌の3大菌の一つで、歯肉の組織内や血管内に侵入し、増殖することができる細菌です。
「A.a.菌」は、侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)の原因菌です。侵襲性歯周炎は10代、20代で発症しやすく、極めて進行が早い歯周菌です。
「P.i.菌」は、一般的に多くの人が保有している細菌と言われています。口腔内が不潔な状態が続くと繁殖し、歯周病を起こす原因になります。

また、思春期や妊娠期はこの細菌が増加しやすい傾向です。

歯周病菌は、繁殖すると腐った臭いが発生し、食べ物の種類や飲酒・喫煙によっても臭いは変わってきます。

歯周病による口臭は、歯の根元が腐り始めているサインです。早めの治療をおすすめします。

口臭のチェック方法

口臭が自覚できない場合は、以下の方法で口臭チェックを行いましょう。

乾いた唾液の臭いを嗅ぐ

清潔に洗った指で歯茎を触って、指についた唾液の臭いを確認してください。

違和感があるかどうか判断して、歯周病の進行度を見極めましょう。

細菌検査を受ける

歯科医院では、細菌検査を受けることができます。

検査を受けて歯周病菌が検出された場合、口臭が発生している状態です。

口臭チェッカーを使う

口臭チェッカー(口臭測定器、ブレスチェッカー)は、口臭の原因となる揮発性硫化物を測定できる器具です。

息を吹きかけるだけで簡単に測定ができます。測定器は、市販で購入可能です。

歯周病が原因で起こる口臭のケア方法

歯周病の症状が進行して重症化すると、歯を支えている歯槽骨が溶けて抜歯のリスクが高くなります。

歯の健康は、毎日のケアで維持することができるので、正しい歯磨きの習慣を心がけましょう。

ケア①きちんと歯を磨く

最低でも1日2回は歯を磨く習慣を付けましょう。

歯磨きのタイミングは、食後と就寝前がベストです。正しい歯磨き方法は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間に歯ブラシをあてて磨く
  • 歯ブラシの毛先が曲がらない程度に軽くブラッシングする
  • 歯ブラシは小刻みに動かしてブラッシングする
  • 前歯は歯ブラシを縦にして磨く
  • 歯の高さが違う箇所は、歯ブラシを斜めに当てて磨く
  • 歯ぐきに対しては45度の角度で毛先をあてる

また、舌についた汚れ「舌苔(ぜったい)」は、口臭の原因になるため、キレイに掃除をしましょう。

舌の磨き方は、舌の粘膜を傷つけないように1日1回を目安に専用の舌ブラシを使ってクリーニングしましょう。

ケア②歯間ブラシを使う

歯と歯の隙間のプラークは、歯ブラシでは除去しきれないため、歯間ブラシやデンタルフロスを使ってキレイにしましょう。

※歯間部のプラーク除去効果

  • 歯ブラシ:61%
  • 歯間ブラシ:85%
  • デンタルフロス:71%

歯間ブラシの使い方は、歯と歯の隙間に歯間ブラシを挿入して、前後に数回動かします。
奥歯の歯間はL字型の歯間ブラシを使うと汚れを落としやすくなります。

歯間ブラシで磨いたあとは、口の中をすすいで清潔にします。
デンタルフロスの場合は、歯と歯の隙間を傷つけないようにゆっくり動かしてお手入れをしましょう。

デンタルフロスの種類は、糸巻きタイプよりも持ち手タイプの方が簡単で使いやすくなっています。

ケア③歯周病予防の製品を使う

歯磨き粉や洗口液など。歯周病予防になる製品を選びましょう。

フッ素配合の歯磨き粉は、歯垢(プラーク)除去と、酸で溶けた成分を修復する効果があります。
また、歯ブラシの後に殺菌作用が強い洗口液を使うと予防効果があります。

ケア④口呼吸を控える

口呼吸をすると「ドライマウス」になりやすく、歯垢を唾液で洗浄する作用が衰えて、歯周病のリスクが高まります。

ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥している状態になることを言います。

口呼吸から鼻呼吸ができるように習慣づけていきましょう。
口呼吸にならないようにするには、舌のトレーニング「あいうべ体操」がおすすめです。

1日あたり10回程度行うと効果的です。

  • 「あ~」と口を大きく開ける
  • 「い~」と口を横に広げる
  • 「う~」と唇を前に突き出す
  • 「べ~」と舌を前に出す

ケア⑤定期的に歯科医院に通う

歯の健康維持には、日頃のセルフケアに加えて歯科医院での定期検診が重要です。

自分でできる歯磨きなどのオーラルケアや、生活習慣の見直しに加えて、歯科医院に3ヶ月に1回程度、定期的に通うようにしましょう。

セルフケアだけでは除去しきれない歯周ポケットの汚れもキレイにすることができるので、安心です。

ケア⑥歯周病治療を受ける

口臭や歯茎の腫れや痛み、赤くなって炎症してきたら、早めに歯科医院の治療を始めましょう。

歯周基本治療は、プラーク・歯石除去です。

歯周病が進行している場合は、歯周外科治療を行います。

歯の根に付着している歯垢・歯石・毒素を除去します。

ただし、歯がグラグラして根元が腐っている重度の歯周病の場合は、抜歯が必要になる場合もあります。

歯周病で口臭が気になったら歯科医院に相談しよう

歯の痛みや腫れと一緒に口臭が気になったら、歯周病の症状が進行しているサインかもしれません。

口臭が気になるときは、なるべく早めに歯科医院での診察を受けて、適切な治療を始めましょう。

 

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