インプラント手術後の注意点6つ!再診すべき症状も解説
インプラント手術は、その後のケアが重要です。
とくに術後1週間以内は、気を付けることが多く、場合によっては痛みや腫れの原因になってしまうことも。
この記事では、インプラント手術の後の注意点についてまとめています。
また、起こりうる症状や対処法について詳しく解説するので参考にしてください。
インプラント術後の注意点
インプラント手術後の初期の段階では、日常生活の中でいくつか注意すべき点があります。
- 食生活に気をつける
- 十分に止血をする
- 入浴・運動は控える
- 十分な睡眠をとる
- 痛みがある場合は鎮痛剤を使用する
- 歯磨きは毛先が柔らかいものを使う
手術部位を清潔に保ち、インプラントがしっかりと骨に定着するまでの間、適切なケアをおこなうことが重要です。
食生活を気を付ける
インプラント手術後、食事の内容に注意しなければなりません。
食べ物の選択や食事の仕方が、手術後の回復を左右するだけでなく、インプラントの定着にも影響を与える可能性があるからです。
食べ物
手術直後は、柔らかく食べやすいものを選びましょう。
- 流動食(例:おかゆ、スープなど)
- 豆腐
- ヨーグルト
このような、消化のよいものがおすすめです。
また、熱いものや辛いものも刺激になるため、しばらくは控えましょう。
硬い食べ物は、噛む際にインプラントに過度な負担をかけます。
せっかく埋め込んだインプラントの安定を損なう可能性があるので、注意しなければいけません。
飲み物
飲み物も、刺激の少ないものを選びましょう。
具体的には、常温の水やお茶などがおすすめです。
アルコールや炭酸飲料は、手術部位に刺激を与える可能性があるため、避けた方がよいです。
補足:喫煙も控えた方がよい
喫煙は、傷の治りを遅らせるだけでなく、インプラントの定着を阻害する可能性も懸念されます。
ニコチンは血管を収縮させ、血流を阻害することで、手術部位への酸素供給を減らし、治癒を遅らせる原因となります。
そのため、インプラント手術後は、できるだけ喫煙を控えましょう。
十分に止血をする
手術後は、出血が続く場合があります。
ガーゼを噛んで圧迫止血を行い、必要に応じて医師の指示に従いましょう。
出血が止まらない場合は、速やかに医師に連絡し、適切な処置を受けることをおすすめします。
仮に、自宅で安静にしている際に、出血が止まらなかったり、血の味がいつまでも口の中に残ったりする場合は注意が必要です。
このような場合は、ガーゼを交換したり、患部を冷やしたりするなどの応急処置をおこないましょう。
止血ができていれば、翌日までにはおさまるため、身体を安静にすることが大切です。
入浴・運動は控える
手術当日は入浴を避け、シャワーのみで済ませましょう。
また、激しい運動も控えてください。
血行が促進されると、出血や腫れが悪化する可能性があります。
長時間の入浴や激しい運動は、血圧を上昇させ、手術部位への負担が増加します。
軽いウォーキングなどは問題ありませんが、体に負担がかからない程度にするなど注意が必要です。
手術後数日は、サウナや長風呂、激しいスポーツなどは避け、安静を心がけましょう。
十分な睡眠をとる
手術後は十分に睡眠をとり、体力を回復させるように心がけましょう。
睡眠不足は免疫力を低下させ、感染症のリスクを高める可能性があります。
質の高い睡眠を確保するために、寝る前にカフェインを摂取するのは避け、リラックスできる環境を整えましょう。
また、規則正しい生活リズムを維持することも、質の高い睡眠を得るために重要です。
痛みがある場合は鎮痛剤を使用する
手術後、痛みを感じる場合は、医師から処方された鎮痛剤を服用しましょう。
しかし、痛みがあまりにも強い場合は、我慢せずに医師に相談してください。
自己判断で市販の鎮痛剤を服用すると、副作用や合併症のリスクがあるため、必ず医師の指示に従ってください。
鎮痛剤は、痛みを感じたときにすぐに服用すると効果を発揮します。
痛みが我慢できないほどになるまで待つのではなく、早めに服用することで、症状が落ち着きます。
歯磨きは毛先が柔らかいものを使う
歯磨きの際は、毛先が柔らかい歯ブラシを使用し、優しく磨くようにしましょう。
強く磨きすぎると、手術部位を傷つけてしまう可能性があります。
また、歯磨き粉は研磨剤の入っていないものを使用し、手術部位を刺激しないことが大切です。
そして、手術部位だけでなく、口腔内全体を清潔に保つことが重要です。
デンタルフロスや歯間ブラシも併用することで、より効果的に歯垢を除去できます。
再診のサイン!インプラント術後の異常症状
インプラント手術後、以下のような症状が現れた場合は、異常な状態である可能性があります。
- 出血
- 過度な痛みや腫れ
- 鼻血や膿
速やかに医師に連絡し、指示を仰ぎましょう。
出血
手術後、多少の出血はありますが、通常は数時間で止まります。
長時間出血が続く場合は、異常な状態である可能性があります。
出血が続く場合は、清潔なガーゼを患部に当てて圧迫止血を行いましょう。
それでも出血が止まらない、あるいは出血量が多い場合は、すぐ歯科医院に連絡してください。
過度な痛みや腫れ
手術後、痛みや腫れは一般的ですが、時間の経過とともに軽減していくのが通常です。
しかし、痛みが激しくなったり、腫れがひかなかったりする場合は、感染症などの合併症が疑われます。
痛みが強い場合は、処方された鎮痛剤を服用したり、患部を冷やしたりして様子を見ましょう。
しかし、これらの対処法を試しても痛みが引かない、あるいは腫れが大きくなる一方の場合は、早めに歯科医院を受診してください。
鼻血や膿
鼻血や膿が出る場合は、手術部位に感染が起こっている可能性も。
とくに、膿が出ている場合は、早急に医師の診察を受ける必要があります。
鼻血や膿は、インプラント周囲炎などの深刻な感染症のサインである可能性があります。
これらの症状が見られた場合は、自己判断で対処せず、すぐに歯科医院に連絡し、適切な治療を受けるようにしましょう。
腫れが引かない場合の対処法
インプラント手術後に、腫れが引かない場合は、以下の対処をしましょう。
- 薬を服用する
- 痛みがある箇所を冷やす
- 医師に相談する
薬の服用や患部の冷却はあくまでも一時的な処置であり、ひどい場合は医師に相談することをおすすめします。
薬を服用する
医師から処方された消炎鎮痛剤を服用すると、腫れや痛みを軽減できます。
消炎鎮痛剤は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
患部の炎症を抑えることで、腫れや痛みがやわらぐので、一時的な処置としては最適です。
ただし、自己判断で市販の薬を服用することは避け、必ず医師の指示に従って服用してください。
多くの場合、病院から鎮痛剤が処方されるため、そちらを服用しましょう。
痛みがある箇所を冷やす
患部を冷やすことで、腫れや炎症を抑えられます。
ただし、冷やしすぎには注意し、医師の指示に従っておこないましょう。
- 氷嚢や氷などをタオルで包む
- 患部に優しくあてて冷やす
- 1回につき15~20分程度にする
このように、冷やすことで血管が収縮し、患部への血流が抑制されるため、腫れや炎症を抑える効果が期待できます。
冷やす時間は、1回につき15~20分程度を目安としましょう。
医師に相談する
上記の対処法を試しても腫れが引かない場合は、医師に相談しましょう。
他の原因による腫れや、合併症の可能性も考えられます。
自己判断で対処せず、早めに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
腫れの原因を特定し、適切な治療を受けることで、腫れを早く改善し、合併症のリスクを減らせます。
関連記事:インプラントの治療は痛みを感じる?原因と対処法を解説
まとめ
インプラント手術は、歯を失った方にとって大変有効な治療法ですが、術後のケアを適切におこなうことが重要です。
日常生活のなかで注意すべき点を守ることで、インプラントを長持ちさせ、快適な生活を送れるようになります。
インプラント治療に関する疑問や不安があれば、遠慮なく歯科医師に相談することが大切です。
コラム監修者
資格
- 医療法人社団世航会 理事長・歯学博士
- ICOI 国際インプラント学会 指導医
- UCLAインプラントアソシエーション理事
- JAID 常任理事
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
- 日本補綴歯科学会所属
- 日本歯科医師会 会員
- 東京都歯科医師会 会員
- 厚生労働省認定研修医指導医
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
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