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虫歯のステージとは?治療の選択肢についても解説
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虫歯のステージとは?治療の選択肢についても解説

虫歯を放置することは、歯の健康を損なうだけでなく、最終的には日常生活に影響を及ぼすリスクがあります。

 

この記事では、虫歯の進行度合いを表すステージ、歯になった際の治療選択肢などを詳しく解説します。また、健康な歯を保つための予防法や、適切な歯医者の選び方についても触れていきます。

 

虫歯は早期発見と治療が非常に大切であり、適切な対処をすることで、歯の健康を長く維持することが可能です。正しい知識と適切なケアで、自分の歯を守るための一歩を踏み出しましょう。

虫歯とは

虫歯とは、口内のミュータンス菌が生産する酸によって、歯の硬い組織が徐々に溶かされる病気です。日々摂取する糖分を含んだ食品は、ミュータンス菌のエサとなり、歯垢の形成を助け、そこで酸が生成されます。この酸が歯質、特にエナメル質と象牙質からカルシウムやリンを溶かし、最終的には歯に穴が開く状態に至ります。

 

虫歯は自覚症状が出る前に進行することが多く、定期的な歯科検診で早期に発見し治療することが重要です。治療を行わない場合、虫歯は進行し続け、一度穴が開いてしまうとその部分は元の健康な状態には戻りません。早めのうがいや歯磨きで原因となる酸を取り除くことが、虫歯を予防する上で最も効果的な手段です。

虫歯のステージ

虫歯のステージとは、虫歯が発生してから重症化するまでの過程を指します。具体的には、以下の5段階に分類されます。

【ステージ】

  • CO
  • C1
  • C2
  • C3
  • C4

ここでは、虫歯が進行する各段階における特徴と、それに伴う治療法について詳しく解説します。

CO

初期段階の虫歯は、エナメル質がわずかに溶け始めており、斑点状や帯状に白や茶色に濁った見た目に変わります。この段階では痛みはほとんどありません。治療は歯を削るのではなく、フッ素塗布による予防処置を中心に、歯の再石灰化を促進させることに重点を置きます。

C1

C1のステージでは、エナメル質に穴が開いた状態です。痛みは少ないため、治療は比較的簡単です。虫歯の染め出し薬を用いて虫歯部分のみを除去し、歯科用のプラスチック「コンポジットレジン」で穴を埋めます。通常、1回の通院で治療は完了します。

C2

虫歯がエナメル質を超えて象牙質に達した状態がC2です。冷たいものや甘いものに敏感になり、しみる症状が出始めます。治療は虫歯の部分を削り、範囲に応じたインレーを用いて詰め物をします。複数回の通院が必要となることがあります。

 

関連記事:C2の虫歯とは?主な特徴や治療方法を解説

C3

C3は虫歯が歯髄(神経)にまで到達した段階です。噛むと痛む、常時ズキズキするなどの症状が現れることが多く、治療はより複雑になります。まず神経を取り、根管治療を行い、続いて歯の土台を作ります。最終的にはクラウンで被せます。このステージでは、複数回の通院が必要です。

C4

C4は神経が死滅し、歯根部が虫歯によって大きく損傷を受けている状態です。治療は難しく、多くの場合抜歯が選択されます。抜歯後は、インプラントやブリッジなどで歯の機能を回復します。

 

関連記事:虫歯の初期症状と症状が現れたときの適切な対処法について

歯の構造

歯の構造は以下に分けられます。

【歯の構造】

  • エナメル質
  • 象牙
  • 根管・神経

それぞれの詳細について解説します。

エナメル質

エナメル質は、歯の外層を形成する組織です。人の体の中で一番硬いと言われています。しかし、酸には弱く虫歯の原因となる酸によって容易に溶かされてしまいます。エナメル質は虫歯に対して痛みを感じないため、虫歯がエナメル質に留まっている間は自覚症状がなく、進行に気づきにくいのが特徴です。

象牙

エナメル質の下に位置する象牙は、歯の大部分を占める組織で、エナメル質よりも柔らかいです。象牙はエナメル質を支える役割を持ち、衝撃を吸収する機能があります。さらに象牙は象牙細管が通っており、ここから痛みや温度の感覚が伝わるため、虫歯がここまで到達するとしみたり痛んだりします。

根管・神経

歯の内部、象牙質のさらに内側には歯髄があり、一般的に「神経」と呼ばれます。この部分には神経線維だけでなく、血管やリンパ管も通っており、歯に栄養を供給し象牙を生成する重要な役割を持っています。虫歯が神経に達すると激しい痛みを引き起こし、最終的には神経を取る処置が必要になることもあるでしょう。

虫歯になった場合の治療の選択肢

虫歯になった場合、治療法の選択は歯の損傷度により異なります。一般的には、軽度から重度へと進行するにつれ、治療法も複雑になります。

【治療法】

  • セラミック
  • 根管治療
  • 入れ歯
  • ブリッジ
  • インプラント

ここでは、虫歯治療の一般的な選択肢として、セラミック、根管治療、入れ歯、ブリッジ、インプラントについて解説していきます。

セラミック

セラミックは、削った歯に詰めたり被せたりするための素材です。天然歯に近い色と質感を持ち、耐久性も高いため、審美性と機能性を兼ね備えた治療法として選ばれます。

 

軽度から中度の虫歯に適しており、歯を削った後にセラミックで作成された詰め物やクラウンを装着することで、機能と見た目の両方を回復させます。

根管治療

根管治療は、虫歯が進行して神経まで到達した場合に行われる治療です。神経を含む、感染した歯髄組織を取り除き、根管を清掃して消毒した後、専用の材料で根管を充填します。

 

治療を行うことで痛みを取り除き、歯を保存することができますが、歯の強度は低下するため、後にクラウンで補強することが多いです。

入れ歯

重度の虫歯や複数の歯を失った場合、機能と見た目の回復のために、入れ歯が選択されることがあります。入れ歯は取り外しが可能で、噛む力を分散させることで残る歯に負担をかけにくいという利点があります。ただし、フィット感を得るためには精密な調整が必要です。

ブリッジ

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして、失った歯の部分に人工歯をはめる治療法です。見た目が自然で固定されるため、入れ歯に比べて安定感があります。しかし、ブリッジを支えるためには隣接する健康な歯を削る必要があるため、歯を失った箇所の両隣が健康である必要があります。

インプラント

インプラント治療は、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けます。自分の歯に近い噛み心地と機能を有します。健康な歯を削る必要がないため、歯を失った部分のみに対処できる大きな利点があります。

 

関連記事:インプラント治療にはどのくらいの費用がかかる?

健康な歯を保つために

虫歯は日常の生活習慣に大きく影響されます。日々のケアで予防できるため、以下の方法をチェックしてみましょう。

【日々のケア方法】

  • 正しい歯磨きを習慣化
  • 糖分の摂取を控える
  • 十分な睡眠を確保
  • ストレスをためない
  • 定期検診で早期発見
  • デンタルフロスや歯間ブラシを活用

ここでは、健康な歯を保つための具体的な方法をご紹介します。

正しい歯磨きを習慣化

毎日の歯磨きは虫歯予防の基本です。特に、食後と就寝前の歯磨きは、細菌の繁殖と酸の生成を抑えるために重要です。歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎にあて、小さな円を描くように優しく磨きましょう。食後は酸によりエナメル質が軟化している可能性があるため、30分以内に磨くことが推奨されます。

 

関連記事:【習慣・食生活別】虫歯の予防方法

糖分の摂取を控える

糖分は虫歯の大きな原因です。間食による糖分摂取を控え、主食としての糖分に限定することが望ましいです。また、糖分の多い飲み物の代わりに、水やお茶を選びましょう。

十分な睡眠を確保

良質な睡眠は全身の健康を保つだけでなく、唾液の分泌を促進し口内環境を整えるため、虫歯予防にもつながります。毎日7〜8時間の睡眠を目指しましょう。

ストレスをためない

ストレスは唾液の分泌を減らし、虫歯のリスクを高めます。リラックスする時間を作り、ストレスをためない習慣を持つことが大切です。

定期検診で早期発見

虫歯は自覚症状が出にくいため、定期検診が早期発見につながります。3〜4ヶ月に一回、歯科医院で検診を受け、歯のクリーニングをしてもらうのが理想です。

デンタルフロスや歯間ブラシの活用

歯ブラシだけでは届かない部分の掃除は、デンタルフロスや歯間ブラシが有効です。特に歯と歯の間や歯と歯茎の境目は、これらのアイテムでしっかりとケアしましょう。

 

関連記事:虫歯になりやすい人の特徴とその対策

歯医者の選び方

虫歯を治療していくことになると、数回〜数ヶ月間、歯医者に通うことがあるでしょう。そのため、通い続けるには歯医者選びが重要となります。

【選び方】

  • 通院のしやすさを考慮
  • 痛みへの対応を重視
  • 医師の専門性と経歴をチェック
  • 治療法の説明を重視
  • 先進的な設備の導入

上記5点に注目しながら見ていきましょう。

通院のしやすさを考慮

歯科医院を選ぶ際は、通院の利便性を考慮しましょう。自宅や職場からのアクセスが良い場所にある歯科医院を選ぶと、定期検診や緊急時にも迅速に対応できます。

痛みへの対応を重視

痛みに敏感な方は、無痛治療を行っている歯医者もあります。表面麻酔や最新の麻酔技術を用いて、痛みへの対応を重視している歯医者を選ぶのも一つです。

医師の専門性と経歴をチェック

医師の技術力や専門性を確認することも重要です。院長の経歴や専門分野をウェブサイトで確認し、高度な専門治療を受けたい場合は、その分野に強い歯医者を選びましょう。

治療法や費用の説明をしっかりしてくれる

治療を受ける前に、メリットとデメリットの両面からしっかりと説明を受けることができる歯医者を選びましょう。患者さんの不安や相談に耳を傾け、適切な治療選択肢を提示してくれる歯医者が望ましいです。

 

また、費用面で不安がある場合、説明してくれる歯医者であれば安心できるでしょう。

先進的な設備の導入

先進的な医療機器や設備が整っている歯科医院は、より正確で安全な治療を提供してくれます。他の歯医者では対応できない治療に対応できるといったメリットもあるため、設備が充実していることに越したことはありません。

虫歯は早期発見と治療が大切

いかがでしたでしょうか?虫歯のステージによる状態、虫歯が発生した際の治療の選択肢について、おわかりいただけたかと思います。セラミックや根管治療、入れ歯、ブリッジ、インプラントといった治療法は、虫歯のステージや患者さんの状態に応じて選択されます。

 

また、健康な歯を維持するための日頃のケアと、信頼できる歯医者の選び方も重要です。この記事を参考に、早期発見と適切な治療で歯の健康を守っていきましょう。

 

世航会デンタルオフィスでは虫歯治療から予防歯科、歯周病治療まで、歯科治療を幅広くご提供しています。不安なく治療を受けていただけるよう、カウンセリングもしっかりと実施。歯が痛いと感じられている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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